ちょっと遅くなってしまいましたが、ゴールデンウィークお出かけ記事第二弾です。白老町にある仙台藩白老元陣屋資料館に行ってきました。
ちょっと見学、くらいの軽い気持ちで入ったら展示が充実していて面白かったので記事にしてみました。
どうぞお付き合いください。

前回の記事でウポポイに行ったことについて書きましたが、そのウポポイに行く前にこの資料館に立ち寄りました。

前回の記事⇒ウポポイ(民族共生象徴空間)に行ってきました!  2024年ゴールデンウィークのお出かけ①

仙台藩白老元陣屋資料館があるのは白老町陣屋町。白老ICを降りてウポポイに向かう途中にあります。

道に資料館の案内看板が立っていてこの資料館があることを初めて知りました。
白老と仙台藩につながりがあることすら知らなかったので興味がわき、ちょっと立ち寄ってみることにしました。

これはかなり広そう。地図真ん中下のPの近くの建物が資料館で、他は史跡のようです。
北海道遺産にも登録されていたのですね。

こちらが資料館。開館時間とほぼ同時刻に着いたので一番乗りでした。

中に入ると正宗公の甲冑の複製が展示されています。これがあると仙台藩の雰囲気が高まりますね。

アイヌの木彫りと宮城の名産品であるこけしが並んで展示されています。このふたつが並ぶことで白老の歴史がよく表現されていると思います。


(とても迫力がありました!)

展示室を見る前に資料館の方がこの陣屋跡について説明してくれて、さらに陣屋の歴史の映像を見せてくれます。この映像が非常によく出来ており、いきなり展示品を見るよりも理解が深まります。
時間は15分くらいでしょうか。

この記事では映像の代わりに私が陣屋の歴史について簡単に説明させていただきますね。

時は幕末。南下政策をとるロシアの脅威から蝦夷地を守るため、安政2年(1855年)3月に幕府から仙台藩は蝦夷地警備を命じられます。

翌年5月には第一陣が仙台城下を出発。この当時は順調にいっても白老まで20日ほどかかっていたそうです。

9月にはこの陣屋を築き、およそ120人の藩士が駐屯しました。厳しい冬を地元のアイヌの協力を得ながら乗り越え、ロシアとの戦に備えて訓練の日々を過ごしていたそうです。

しかし慶応4年(1868年)に戊辰戦争が起こり、幕府側についた仙台藩は次第に追い詰められていきます。
その影響は白老陣屋にいる藩士たちにも及び…。

詳しいことは白老町のHPの仙台藩白老元陣屋資料館利用案内のPDF文書に書かれていますので、興味のある方はそちらも読んでみてくださいね。
HP内のふるさと再発見シリーズには、陣屋の紹介のほかに白老のアイヌ伝承なども掲載されていて面白いです。

白老元陣屋のHPはこちら⇒仙台藩白老元陣屋資料館利用案内

白老町の歴史や文化についてはこちら⇒ふるさと再発見シリーズ

さて、話を資料館に戻しましょう。展示室の手前ではヒグマとエゾシカの剥製がお出迎えしてくれます。

展示室にはこの陣屋ゆかりのものがたくさん展示されています。
しかし、展示品のほとんどはガラスの向こう側にあります(当然ですが)。照明の光が反射して写真が上手く撮れず…。
展示品のほんの一部をご紹介しますね。

昔の地図です。天明5年(1785年)の秋と書かれています。右側が南(本州側)になっているという面白い構図。

陣屋跡の模型。

模型の大きさからも陣屋の広さがわかります。記事の後半に外の史跡で撮った写真がありますので、見比べてみてくださいね。

火縄銃。結構長いので扱いが大変だっただろうと思います。

大筒。当時としても旧型のものだったらしく、仙台藩はなかなか厳しい財政状況だったようです。

陣太鼓。実際に叩けます。叩くと時代劇の一幕のような雰囲気に…。

シントコも展示されています。アイヌとの交流の深さが伺えますね。

お侍さんの像。東北の仙台と比べても北海道の冬は本当に厳しかったことと思います。病気で亡くなる方もいたようです。

アイヌの古老に地域を案内してもらっている様子。アイヌの協力は必要不可欠だったようですね。

それでは、外へ行って陣屋の跡地を見てみましょう。見比べやすいように模型の写真をここにも置いておきます。

まずは橋から。上の模型では左端の『詰御門』にあたります。

橋を渡ると正面に本陣跡があります。模型の左側から見た様子です。これがなかなか広く、写真におさまりませんでした。

本陣の前には立派な木が二本立っていました。まだ葉も花もついていません。

本陣の裏手には井戸があります。

勘定所跡。模型では本陣の下にあります。写真奥に見えているのは資料館です。

穀蔵跡。模型では勘定所の左にあります。
本陣一帯は土塁でぐるりと囲まれています。土塁の外側には堀があり、これらを人力で作るのは大変だったと思います…。

模型で見た場所を実際に歩くと、陣屋の歴史を直に感じられて感慨深いものがありました。

昔は仙台藩士が暮らし、厳しい訓練をしていた陣屋も今は史跡となり、鳥のさえずりと木々の葉擦れの音が聞こえる静かな場所になっています。
長い時間が流れたのだと感じさせてくれますね。

堀を超えたところに桜の木がありました。

そうそう、資料館では御朱印ならぬ御城印がもらえます。たしか300円だったかな…うろ覚えです。
御参陣記念と書いてあるのが何か面白いです。

今回もパピエコトンのブログにお付き合いいただきありがとうございました。
この資料館のおかげで、時代に翻弄された白老陣屋のことを知ることができて、北海道の歴史を垣間見ることができました。
北海道の歴史に興味がある方はぜひ行ってみてくださいね。

白老周辺には他にも面白そうな資料館・博物館がたくさんあります。こちらのPDFの地図が参考になりますので置いておきますね。

地図はこちら⇒日高・胆振博物館マップ

それでは、次の記事でお会いしましょう♪