曲線のデザインを考えるのは楽しいものですが、どんな形にしようか結構悩みますよね。自由に描いていいのだと思うほどわからなくなることもあります。
そこで今回は、私が曲線を製図する時に考えていることや曲線の描き方、よく使う道具、切り方について前回ご紹介したティッシュボックスを例に書いていきます。



前回の記事でご紹介したティッシュボックスは、蓋のマグネットをつける部分を自由にデザインすることができます。

前回の記事はこちら⇒ブログ再開はこの作品から…マグネット付きのキューブ型ティッシュボックス/雰囲気の違う二種類の生地でカルトナージュの定番作品を作りました

もちろん厚紙を真っ直ぐにカットした直線のままでも良いのですが、そこは創作する者としてやはりオリジナリティを出したいと思うもの。

というわけで、私はこのようにデザインしました。これはリバティのザッカリーという生地の作品(写真上)のものです。

今回使用したリバティの柄は雨や露に濡れた草花…というイメージがありました。そのイメージに合わせて、葉先に雫が滴っている様子や、雨粒で葉がちょっと垂れ下がっている様子をこの形で表現しました。

使いやすさがどうなるか心配だったのですが、案外手の形によく馴染んで開け閉めしやすいので気に入っています。

中心の縦線は厚紙の中心、左右の縦線は厚紙を三等分した線です。バランスを見る為に三等分や四等分の線を引いて、曲線のデザインを考えることが私は多いです。

真ん中のマルはマグネットをつける位置です。どのあたりにつけるのかを先に決めておいた方がいいでしょう。そうしないと、マグネットをつける余白が足りずにまた考え直さなくてはならなくなります。

このような曲線を引く時に使うのが、コンパスや雲形定規です。特に雲形定規はコンパスでは描けない微妙なカーブを描ける便利な道具です。描きたいイメージに合うカーブを選んで使います。

個人的に洋裁用のカーブ定規もおすすめです。私が使っているクロバーさんのものは定規のカーブと平行に目盛りが入っているので、デザインの過程で同じ形をもう一回り大きくしたい時など本当に助かります。
上の写真の曲線もこちらのカーブ定規で描きました。

実際に私が使っているものなのでちょっと汚れが……。すみません。
このカーブ定規にはミニサイズの定規もセットになっているのですが、これも地味にいい仕事をしてくれます。ちょっと測りたい時に便利です。

このカーブ定規にはケースがついているのですが、私はこのケースに30㎝定規とステンレス定規もしまっています。行方不明にならなくてこれまた助かっています。

このクロバーさんのカーブ定規はネットショップや手芸屋さんで売っていますので、機会があればチェックしてみてください。(クロバーさんの回し者ではありませんよ、念のため)

クロバー カーブ定規〈ミニものさし付〉

さて、デザインができましたら次はカットです。こういう形はサークルカッターが使えませんので、カッターで切ることになります。曲線をカッターで切る練習をしておくと作れる作品の幅が広がりますね。

私は余白を小さくした方が曲線を切りやすいので、いつもこんな感じで余計な部分を先にカットしてしまいます。

これができましたら、カッターで曲線をなぞるように少しずつ切り込みを入れていきます。いっぺんには切れませんので、カッターで同じ部分を何度もなぞり、少しずつ切り込みを深くしていきましょう。

う~ん、これは動画があった方がわかりやすいですね。文章だけで説明するのは難しいです。そして写真も足りないという…。

こんな感じでカットできました。切り口が盛り上がったらヘラでおさえて平らにします。

ティッシュの引き出し口もデザインします。
引き出し口は大きすぎるとスマートさに欠けますし、かといって小さすぎるとティッシュが引き出しにくく、作るのも大変になります。ほどほどの大きさが良いでしょう。

形は自由ですが、ハート型や星型は内側の尖った部分にティッシュが引っかかって裂けそうな気がします。作ったことがないのでわかりませんが…。

リバティ柄の引き出し口はこんな感じにデザインしました。左右のカーブはコンパス、上下のカーブは上でご紹介した洋裁用のカーブ定規で引きました。
普通の長方形や正方形でも良いのですが、何となくこの生地には曲線の方が合いそうだったのでこのような形にしました。

これもカッターでくりぬきます。カッターを持つ手に力を入れすぎると線からはみ出しやすくなるので、軽い力で焦らずに少しずつ切っていきます。

切り口のガタガタが気になる場合は紙やすりで綺麗にしてあげると良いですよ。

このようにカットしたものを作品に仕上げるとこうなります。

もうひとつのピンクのカントリー柄の方もお見せしますね。

こちらは生地に描かれているレースの形に合わせてスカラップの形にしました。これはコンパスで製図しました。
この形もなかなか使いやすいです。見た目も可愛いですし、生地の雰囲気にも合っているように思います。

生地の柄がボーダーになっている様子から上下が直線の引き出し口にしてみました。
このように生地の柄からヒントを得てデザインすると、作品としてのまとまりや統一感が出るような気がします。

蓋の裏側の写真です。この写真、需要あるかな?と撮っている時も思いましたが、何かの参考になるかもしれませんし一応載せておきますね。

ついでなので箱のマグネットの部分も。マグネットがパチッととまる音は何度聞いても快感です。蓋と箱がズレないようにつけられるようになったら職人の域ですね。
マグネットのつけ方もいずれ説明できたらいいなぁと思っております。

長文のブログに最後までお付き合いいただいてありがとうございました。ざっくりとした説明でしたが、お役に立てたら嬉しいです。
曲線の製図は奥が深い世界なのでまた違う作品を例にとって説明したいと考えています。

それでは、次の作品でお会いしましょう♪