前回の記事で作品展で展示した作品の形について書きましたが、今回は作品と組み合わせた「カロチャ刺繍」について書きたいと思います。なぜ刺繍を組み合わせることにしたのか、なぜ数ある刺繍の中からカロチャ刺繍を選んだのかをお話しします♪

今回の作品展は、カルトナージュに他の手芸やクラフトなどを組み合わせることがテーマでした。作る作品は時計にすると決めていたので
・時計と相性が良さそうな手芸
・せっかくの作品展なので今までやったことのない新しいことにチャレンジする
この2つから何を組み合わせるか考えました。

さて何が良いかなと考えていた時に、ふとハンガリーの絵付け家具が思い浮かびました。私は以前から東欧雑貨が好きで、雑誌などで特集されているとチェックしたり小物を買ったりしていました。なので心のどこかにイメージがあったのかもしれません。
あのカラフルで華やかな感じ、作品に合わせるとすごく良くなりそう!
これはとても嬉しい思いつきでした。それからイメージがムクムクと湧き上がってきて気持ちもワクワクして、あんな感じで文字盤の周りに刺繍を装飾してみよう!と決めました。

ハンガリーの絵付け家具のイメージから、刺繍はハンガリー刺繍の一種である「カロチャ刺繍」を選びました。

初めてチャレンジしたカロチャ刺繍、いかがでしょうか?カロチャ刺繍は本来ならハンガリー刺繍用の糸で刺すのですが、手に入らなかったのでDMCの8番刺繍糸で代用しました。刺繍を練習する時間がなくて、小さなモチーフを2つ練習したくらいでほぼぶっつけ本番で刺しました。なので粗が目立つとは思いますがそこはご容赦ください…。
せっかくだから文字盤の周りだけじゃなく文字盤の中も刺繍にしようと思って、文字符ではなくお花と丸の刺繍にしました。

側面にも可愛いお花が貼ってあります。この角度で見ると刺繍部分が少し盛り上がっているのがわかりますね。作品展を見に来てくださった方から「刺繍部分に綿を入れているのですか?」とよく聞かれたのですが、綿は入れていないのですよ。これは刺繍した布にフェルトを貼って厚みを出したものなのです。フェルトのおかげでワッペンのような素朴で可愛い雰囲気になったと思います。

これらのカロチャ刺繍はこちらの本の図案を使用しました。

刺繍の刺し方や糸の始末の仕方などわかりやすく書かれていて、カロチャ刺繍未経験者の私でも刺すことができました。本にはカロチャ刺繍の他に、マチョー刺繍やべレグ刺繍などさまざまなハンガリー刺繍の図案が掲載されています。

次の記事で、作品展を開催した感想とパピエコトンのアトリエで今後力を入れていきたいことを書きたいと思います♪


可愛いハンガリー刺しゅう」筒井はるみ著